エクセルで、定期的なキャッシュフローに対する内部収益率を算出するのが『IRR関数』です。
下図を用いて、IRR関数の使い方を解説します。
内部収益率とは
投資によって、将来得られる見込み収益率を指します。
また、投資金額の現在価値と、将来得られるキャッシュフローの現在価値の総和が、同じになる割引率とも言い換えられます。
IRR関数の構文
次に、IRR関数の構文は、次のようになっております。
=IRR(範囲,推定値)
エクセル関数を使う時は、2つの使い方があります。
1つ目は、黄色の○で囲っている「fxをクリック→すべて表示を選択→該当関数を選択→OK」と入力後に、入力内容を指示した枠が表示されるので、そこに入力することです。
2つ目は、緑色の枠に構文を直接入力となります。
IRR関数の使い方
次に、「条件1:IRR関数を使い内部収益率を算出」の時の構文です。
G3セルに入力する時の関数は下記になります。
=IRR(B3:E3)
範囲:投資金額と得られるキャッシュフロー
※範囲の後に、推定値が存在していますが、今回の計算に不要であるため、記載していません。
※投資金額がマイナスの理由は、入金金額をプラス表記、出金金額をマイナス表記しているためです。
No.1について、投資金額が1,000,000円、回収金額が1年目200,000円、2年目400,000円、3年目600,000円の場合、内部収益率は8.2%
No.2について、投資金額が2,000,000円、回収金額が1年目500,000円、2年目800,000円、3年目1,100,000円の場合、内部収益率は8.5%
No.3について、投資金額が3,000,000円、回収金額が1年目300,000円、2年目1,00,000円、3年目2,000,000円の場合、内部収益率は3.9%
内部収益率の計算式
内部収益率の数式は下記の通りです。
(投資金額+1年目のキャッシュフローの現在価値+2年目のキャッシュフローの現在価値~)=0・・・(投資金額は出金額なのでマイナス表記)
※現在価値の算出は、「将来得るお金÷(1+利率)^年数・・・(^は累乗)」で行います。
この数式を、先程の例題に照らし合わせると
No.1は、-1,000,000+(200,000÷(1+r)^1)+(400,000÷(1+r)^2)+(600,000÷(1+r)^3)=0より、8.2%
No.2は、-2,000,000+(500,000÷(1+r)^1)+(800,000÷(1+r)^2)+(1,100,000÷(1+r)^3)=0より、8.5%
No.3は、-3,000,000+(300,000÷(1+r)^1)+(1,000,000÷(1+r)^2)+(2,000,000÷(1+r)^3)=0より、3.9%
となり、IRR関数で設定を正しく行うと、自動計算が出来ることが分かります。
内部収益率の算出時はIRR関数を使う
内部収益率の算出は、株式投資や事業で設備投資を行う人は、特に関わることが多いと思います。
期間が長いほど内部収益率の計算は複雑ですので、そのような時にIRR関数を使い、計算の手間を少なくしましょう。