論理関数の図解イメージ
エクセルで、指定した複数の条件の全てに該当する時の処理方法を指示するのが『AND関数』で、指定した複数の条件のいずれかに該当する時の処理方法を指示するのが『OR関数』で、指定した複数の条件の一部だけに該当する時の処理方法を指示するのが『XOR関数』で、指定した条件の結果を反転させるのが『NOT関数』です。
主に、IF関数と一緒に使われることが多く、紹介した4つの関数のイメージを図で示すと下図の通りになります。
図の見方として、ピンクが条件1を満たす時の色、水色が条件2を満たす色、黄色が条件1と2の両方を満たす色、白が条件1と2の両方を満たさない色となります。
イメージをエクセル関数に置き換えると次の通りです。
AND関数は、条件を全て満たす時の処理を指示しますので、黄色が該当します。
OR関数は、条件を全て満たさない時以外の処理を指示しますので、ピンク・水色・黄色が該当します。
XOR関数は、条件を一部だけ満たす時の処理を指示しますので、ピンク・水色が該当します。
NOT関数は、条件の結果を反転させるため、指定した条件次第で結果が変わります。
もし、AND関数に対して、NOT関数を掛けていたならば、黄色以外が該当します。
もし、OR関数に対して、NOT関数を掛けていたならば、白色が該当します。
次は具体例を用いて、AND関数とOR関数とXOR関数とNOT関数の使い方を解説します。
論理関数の構文
まず、各関数の構文は、次のようになっております。
AND関数:=AND(条件式1,条件式2,条件式3,~)
OR関数:=OR(条件式1,条件式2,条件式3,~)
NOT関数:=NOT(条件式)
XOR関数:=XOR(条件式1,条件式2,条件式3,~)
エクセル関数を使う時は、2つの使い方があります。
1つ目は、黄色の○で囲っている「fxをクリック→すべて表示を選択→該当関数を選択→OK」と入力後に、入力内容を指示した枠が表示されるので、そこに入力することです。
2つ目は、緑色の枠に構文を直接入力となります。
AND関数の使い方
次に、「条件1:出身が東京都かつ性別が男ならば○、そうでないならば×」の時の構文です。
E3セルに入力する時の関数は下記になります。
=IF(AND(B3="東京都",C3="男"),"○","×")
条件式:出身地が東京都、かつ性別が男
条件に該当する場合の処理:○と表示
条件に該当しないの場合の処理:×と表示
AND関数は、指定した複数の条件の全てに該当する時の処理方法を指示する論理関数です。
例題では、出身地が東京都かつ性別が男ならば"○"、それ以外ならば"×"と表示されます。
Aは、出身地が東京都で性別が男、両方とも一致するので"○"
Bは、出身地が大阪府で性別が女で、両方とも不一致なので"×"
Cは、出身地が愛知県で性別が男で、性別のみが一致するので"×"
Dは、出身地が東京都で性別が女で、出身地のみが一致するので"×"
Eは、出身地が大阪府で性別が男で、性別のみが一致するので"×"
OR関数の使い方
次に、「条件2:出身が東京都、または性別が男ならば○、そうでないならば×」の時の構文です。
F3セルに入力する時の関数は下記になります。
=IF(OR(B3="東京都",C3="男"),"○","×")
条件式:出身地が東京都、または性別が男
条件に該当する場合の処理:○と表示
条件に該当しないの場合の処理:×と表示
OR関数は、指定した複数の条件のいずれかに該当する時の処理方法を指示する論理関数です。
例題では、出身地が東京都または性別が男ならば"○"、それ以外ならば"×"と表示されます。
Aは、出身地が東京都で性別が男で、両方とも一致するので"○"
Bは、出身地が大阪府で性別が女で、両方とも不一致なので"×"
Cは、出身地が愛知県で性別が男で、性別が一致するので"○"
Dは、出身地が東京都で性別が女で、出身地が一致するので"○"
Eは、出身地が大阪府で性別が男で、性別が一致するので"○"
NOT関数の使い方
次に、「条件3:出身が東京都ではないならば○、そうでないならば×」の時の構文です。
G3セルに入力する時の関数は下記になります。
=IF(NOT(B3="東京都"),"○","×")
条件式:出身地が東京都ではない
条件に該当する場合の処理:○と表示
条件に該当しないの場合の処理:×と表示
NOT関数は、指定した条件の結果を反転させる論理関数です。
例題では、出身地が東京都でなければ"○"、出身地が東京都であれば"×"と表示されます。
Aは、出身地が東京都なので"×"
Bは、出身地が大阪府なので、東京都に該当しないので"○"
Cは、出身地が愛知県なので、東京都に該当しないので"○"
Dは、出身地が東京都なので"×"
Eは、出身地が大阪府なので、東京都に該当しないので"○"
XOR関数の使い方
次に、「条件4:出身が東京都または性別が男という条件に、片方だけ一致するならば○、そうでないならば×」の時の構文です。
H3セルに入力する時の関数は下記になります。
=IF(XOR(B3="東京都",C3="男"),"○","×")
条件式:出身地が東京都または性別が男の条件に片方だけ一致
条件に該当する場合の処理:○と表示
条件に該当しないの場合の処理:×と表示
XOR関数は、指定した複数の条件の一部だけに該当する時の処理方法を指示する関数です。
例題では、出身地が東京都、または性別が男という条件に、片方に該当すれば"○"、該当しなければ"×"と表示されます。
Aは、出身地が東京都、性別が男で、双方とも条件に一致するので"×"
Bは、出身地が大阪府、性別が女で、双方とも条件に一致しないので"×"
Cは、出身地が愛知県、性別が男で、片方が条件に一致するので"○"
Dは、出身地が東京都、性別が女で、片方が条件に一致するので"○"
Eは、出身地が大阪府、性別が男で、片方が条件に一致するので"○"
今回は、論理関数のイメージについて紹介しました。
主に使う関数は、AND関数とOR関数になりますので、まずは両者の違いを覚えるようにして、余裕があればNOT関数とXOR関数について覚えるようにしましょう。
論理関数を理解出来れば、IF関数の使い勝手が段違いに良くなりますので、違いを覚えておきましょう。