エクセルで、投資の正味現在価値を算出するのが『NPV関数』です。
下図を用いて、NPV関数の使い方を解説します。
正味現在価値とは
投資によって、得られる利益を現在価値に置き換えることを指しています。
投資で得られるキャッシュフローを現在価値に換算してから、投資金額を差し引いて、プラスならば利益が発生し、マイナスならば損失が発生すると判断できます。
NPV関数の構文
次に、NPV関数の構文は、次のようになっております。
=NPV(割引率,値1,値2,~)
エクセル関数を使う時は、2つの使い方があります。
1つ目は、黄色の○で囲っている「fxをクリック→すべて表示を選択→該当関数を選択→OK」と入力後に、入力内容を指示した枠が表示されるので、そこに入力することです。
2つ目は、緑色の枠に構文を直接入力となります。
NPV関数の使い方
次に、「条件1:NPV関数を使い正味現在価値を算出」の時の構文です。
H3セルに入力する時の関数は下記になります。
=NPV(F3,C3:E3)+B3
割引率:投資によるリターンの割合
値:投資によって得られる収入
投資額:投資のために支出した金額
※投資金額がマイナスの理由は、入金金額をプラス表記、出金金額をマイナス表記しているためです。
※投資金額をNPV関数の外に出している理由は、含めた場合、1年目の収入が2年目の現在価値として計算される事象が発生し、正しい数字が算出されないためです。
No.1について、投資金額が1,000,000円、回収金額が1年目200,000円、2年目400,000円、3年目600,000円、割引率が5%の場合、正味現在価値は71,591円
No.2について、投資金額が2,000,000円、回収金額が1年目500,000円、2年目800,000円、3年目1,100,000円、割引率が5%の場合、正味現在価値は152,035円
No.3について、投資金額が3,000,000円、回収金額が1年目300,000円、2年目1,00,000円、3年目2,000,000円、割引率が5%の場合、正味現在価値は-79,581円
正味現在価値の計算式
正味現在価値の数式は下記の通りです。
正味現在価値=投資により得られる収入を現在価値に置き換えた値-投資金額
プラスならば利益が発生すると判断でき、投資を行う意思決定の材料になります。
マイナスならば損失が発生すると判断でき、投資を見送る意思決定の材料になります。
この数式を、先程の例題に照らし合わせると
No.1は、(200,000÷(1+0.05)^1)+(400,000÷(1+0.05)^2)+(600,000÷(1+0.05)^3)-1,000,000より、71,591円
No.2は、(500,000÷(1+0.05)^1)+(800,000÷(1+0.05)^2)+(1,100,000÷(1+0.05)^3)-2,000,000より、152,035円
No.3は、(300,000÷(1+0.05)^1)+(1,000,000÷(1+0.05)^2)+(2,000,000÷(1+0.05)^3)-3,000,000より、-79,581円
正味現在価値の算出時はNPV関数を使う
正味現在価値の算出は、株式投資や事業で設備投資を行う人は、特に関わることが多いと思います。
期間が長いほど正味現在価値の計算は複雑ですので、そのような時にNPV関数を使い、計算の手間を少なくしましょう。