先日、下図を用いてSLN関数の使い方の記事を発信しました。
以前の記事では、定額法の計算が耐用年数が変わった時に対応する数式を作成出来ていなかったため、この点に対応した数式を作成しましたので、解説したいと思います。
定額法の減価償却費推移
以前の記事と同様に、取得額:600,000円・耐用年数5年の時の、減価償却費推移表は下図になります。
前回の記事では、減価償却費の計算は出来ていたのですが、耐用年数が変わった時に対応する数式を作成出来ていなかったので、対応した数式を紹介したいと思います。
定額法の減価償却費の算出数式
G3セルに入力する時の関数は下記になります。
=IF(G2="-","-",IF(VALUE(LEFT(A3,1))>D3,"-",IF(VALUE(LEFT(A3,1))=D3,(B3/D3)-1,B3/D3)))
条件式1:昨年の減価償却費が計算対象外ならば、"-"と表示
違うならば条件式2に進む
条件式2:減価償却費の年数が耐用年数を超えると、"-"と表示
違うならば条件式3に進む
条件式3:減価償却費の年数が耐用年数と同じ年数にならば、「取得額÷耐用年数」から1を差し引いた値を表示
違うならば「取得額÷耐用年数」の値を表示
G3セルに入力する数式は、前回の記事と違い、償却年数が耐用年数と同じならば、「取得額÷耐用年数」から1を差し引いた値を表示、償却年数が耐用年数を超えた場合は、"-"と表示するように指示した関数となります。
G4セル以降も、この数式をコピー貼り付けして使います。
数式の解説
数式の意味を時系列で並べたら、下記の通りとなります。
条件式3で、耐用年数に応じて、減価償却費の計算方法を指示しています。
条件式2で、減価償却費の年数が耐用年数を超えると、減価償却費の計算をしないように"-"と表示するように指示をしています。
条件式1で、昨年時点で減価償却費の計算が終了していれば、今年も減価償却費の計算をしないように指示をしています。
※条件式2と条件式3でVALUE関数を使う理由は、LEFT関数で取り出した数字を文字列ではなく数値として認識するように設定するためです。
IF関数を使う時の注意点
IF関数の条件式は、最初の条件が優先順位が高く、後ろに行くほど優先順位が低くなります。
そのため、IF関数を作成する時は、優先順位が低い条件式から作成すると、処理の漏れを防ぎやすいです。
エクセル関数は、組み合わせ次第では、資料作成に掛かる工数を大幅に減らすことが出来ますので、上手く使いこなしていきましょう。