株式投資は売買のタイミングが重要であるが、「買い」より「売り」の方が難しいと思っています。
なぜなら、利益が出ていると『もう少し値上がりして売却しよう』という考えが働き、損失が出ていると『値上がりするかもしれないからもう少し待とう』という考えが働くためです。
今回は、利益が多く出ている場合の利確のタイミングと根拠について、考えたいと思います。
利確の根拠
もし、保有している株が下図の状態になった時に、どのような判断を下すべきであるかを考えてみます。
今後注目されそうな商品を開発しており、株価が安かったので、1,000株を購入したところ、1年後に株価が10倍になったケースです。
売却益:(1,000円-200円)×1,000株=800,000円
配当金での元本回収期間:(200円×1,000株)÷10,000円=20年
配当金での売却益回収期間:800,000円÷10,000円=80年
となっています。
※税金は考慮していません。
※年数の経過に伴う配当金の増減は考慮していません。
この時の選択肢は、主に下記4つではないでしょうか。
1.売却益800,000円を取得して、新たにキャピタルゲインを得るための資金にする
2.売却益800,000円を取得して、新たな高配当株を購入し、インカムゲインの増加を図る
3.配当金を取得し続けるために株式の売却をしない
4.株価が1,000円以上になると考えて売却をしない
1~4のどの選択肢が正解なのかは、その人の投資スタイルと目的で変わってきます。
次に購入したい株式が決まっている場合や、欲しいものをすぐに買いたい場合は、「1」を選ぶべきだと思います。
不労所得を増やしたい場合は、「2」か「3」の選択肢になりますが、どちらにするかは周りの情勢に左右されると思います。
優良高配当株が購入できる場合や、業績に大きく波がありそうな銘柄ならば、「2」の他の高配当株の購入を目指し、業績が安定しており配当金の増配が続きそうならば、「3」の株式の保持を続けるべきだと思います。
保持している株式で、800,000円以上の売却益を得られると思うならば、「4」を選ぶべきだと思います。
最後に
株を購入する前に、何円になったら利確するのか、損切りするのか、業績が傾かない限り配当金目的で保有するのか、目的を明確にすることが大切です。
もし、私が保有している株式が上図のような状況になったら、基本的には「2」を選びます。
配当利回り4%の高配当株を800,000円購入できれば、毎年32,000円の不労所得が得られるようになるためです。
不労所得が欲しい人にとっては、配当利回り4.0%で業績の心配がない銘柄は非常に心強いです。
保有している銘柄が、株価1,000円で配当利回り4.0%以上が見込める場合は「3」を選びますが、それ以外の場合は、他の高配当銘柄を購入した方が、不労所得の確保が早いです。
なので、急な出費が必要な場合を除いては、「2」を選択します。
株式を購入する前に、その後のストーリーを考えておくと、もし自分の想定外の出来事が起きても、すぐに自分にとっての最善策を見つけられるようになります。
株式投資は、利益を伸ばすことも大切ですが、損失を少なくすることの方が大切です。
感情で株式売買を行ってしまう場合は、自分の売買ルールを作ることから始めましょう。