エクセルで、固定資産の減価償却を旧定率法という方法で計算するのが『DB関数』です。
下図を用いて、DB関数の使い方を解説します。
減価償却費推移表の説明
まず、図の説明をします。
未償却残高とは、減価償却が完了していない金額を指します。
1年目は取得額が表示され、2年目以降は取得額から減価償却費を差し引いた金額が表示されます。
残存価額とは、減価償却が終了した後の固定資産の価値を指します。
図では、未償却残高の10%を残存価額としています。
耐用年数とは、固定資産を使用可能と考える期間の事です。
国税庁のホームページを確認して、該当する固定資産の年数を採用します。
減価償却費とは、固定資産の価値の減少分の事を指します。
計算方法には、いくつか種類があり、図では旧定率法という方法を採用しています。
減価償却費累計額とは、1年目から始めた減価償却計算の、経過年数までの減価償却費の合計額を指します。
DB関数の構文
次に、DB関数の構文は、次のようになっております。
=DB(取得額,残存価額,耐用年数,期,月)
エクセル関数を使う時は、2つの使い方があります。
1つ目は、黄色の○で囲っている「fxをクリック→すべて表示を選択→該当関数を選択→OK」と入力後に、入力内容を指示した枠が表示されるので、そこに入力することです。
2つ目は、緑色の枠に構文を直接入力となります。
DB関数の使い方
次に、「DB関数を使い旧定率法での減価償却費を算出」の時の構文です。
E4セルに入力する時の関数は下記になります。
=DB(B4,C4,D4,1)
未償却残高:固定資産の減価償却が未完了の金額
残存価額:耐用年数を経た後の資産価格
耐用年数:固定資産を使える通常の年数
期間:減価償却費計算期間
※期間の後に何ヶ月分の計算をするか判定するために、月の入力もできますが、入力無しならば12ヶ月で計算するため、入力を省略しています。
旧定率法は、原則的に固定資産の減価償却が1年目が大きく、年数が経過するに従い徐々に縮小する計算方法です。
「未償却残高×償却率」で算出されます。
※耐用年数が5年の場合は、償却率が0.369となります。
出展:国税庁『旧定額法と旧定率法の償却率』
1年目は、600,000×0.369=221,400
2年目は、378,600×0.369=139,703
3年目は、238,897×0.369=88,153
4年目は、150,744×0.369=55,624
5年目は、95,119×0.369=35,099
DB関数の注意点
DB関数は、使うことが難しい関数です。
耐用年数までの減価償却費の算出は、残存価額を間違えなければ難しくないのですが、耐用年数を超えた減価償却費の算出は、DB関数のみでは非常に難しいです。
個人的には、DB関数のみを使って、旧定額法での減価償却費計算を完結したかったのですが、最終的には、他の関数を併用して計算を行いました。
非常に長い計算式になりましたので、後日、どのように関数を組み合わせて算出したのか記事にしたいと思います。